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Communications Chemistry誌に掲載


概要

ピラジンは通常、メイラード反応などの化学反応でアミノ酸や糖から生成される。本研究では、3-ethyl-2,5-dimethylpyrazineがL-Thrからシンプルなバクテリアオペロンによって生産されることを実証した。EDMPは、L-Thrから化学酵素的に、2分子のアミノアセトンと1分子のアセトアルデヒドの縮合反応を経て合成されると結論づけている。アミノアセトンはL-threonine 3-dehydrogenaseがL-Thrを基質として2-amino-3-ketobutyrateを介して供給する。アセトアルデヒドは、スレオニンアルドラーゼ活性を持つ2-アミノ-3-ケトオブチラートCoAリガーゼが、CoAが低濃度の時にL-Thrから供給する。EDMPの生成速度を考慮すると、反応中間体は一定時間安定であり、適度な反応温度がEDMPの合成には重要である。これらの酵素を用いてL-THRから前駆体を供給すると、EDMPの収率は最大20.2%上昇した。さらに、この反応がさまざまなアルキルピラジンの合成に有用であることを示している。